私はちょっとしたことですぐに鼻づまりがひどくなり日常生活が辛い、風邪でもないのに常に鼻が詰まっている……そんな症状に常に悩みされてきました。
それはもしかすると「鼻中隔弯曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)」かもしれません。簡単に言うと、鼻の左右を隔てる壁が強く曲がっており、空気の通り道を塞いでしまう病気です。私は長年この症状に悩まされてきましたが、ついに 2025 年 11 月 11 日、手術を受ける決断をしました。
結論から言うと、「術後 1 週間は地獄のように辛かったが、その後の QOL(生活の質)は劇的に上がる実感が持てた」です。
これから手術を検討している方のために、発見から手術、そして最も辛かった術後のダウンタイムまでを、包み隠さず記録します。
1. 発覚:「極細の胃カメラが入らない」衝撃
私が自分の異常にはっきりと気づいたのは、昨年末のことでした。 経鼻胃カメラ(鼻から入れる胃カメラ)検査を受けた際、病院で一番細いカメラを使っているのに、左の鼻から全く入っていかないという事態が起きたのです。
「もしかして、ただの体質じゃなくて構造上の問題?」
そう疑って地元の耳鼻咽喉科を受診すると、予想通り左の鼻の奥が極端に狭くなっていることが判明。「鼻中隔弯曲症の可能性が高い」と診断され、手術対応ができる病院への紹介状をもらうことになりました。
2. 病院選び:大学病院か、日帰りクリニックか
紹介状をもらう段階で、私には 2 つの選択肢がありました。
| A:大学附属病院 | B:専門クリニック | |
|---|---|---|
| 手術形式 | 入院前提 | 日帰り手術 |
| 待ち期間 | 半年以上(見込み) | 3 ヶ月程度 |
| 執刀医 | 大学病院の医師 | 大学病院から派遣される医師 |
| メリット | 入院による安心感 | 早く治せる・帰宅できる |
私は「さっさと治したい」という気持ちが強かったこと、そして執刀医の質が担保されていたことから、「B:専門クリニックでの日帰り手術」を選択しました。
3. 手術当日:全身麻酔と、予想外のパニック
検査を経て、手術日は 2025 年 11 月 11 日に決定。当日は朝 8:50 からの手術でした。 人生初の本格的な「全身麻酔」です。手術台に上がり、心拍モニターの音を聞きながら深呼吸をしたところまでは覚えています。
次に目が覚めたのはリカバリールーム。 ここで私は、想像もしなかったパニックに襲われました。
恐怖の「完全鼻閉」状態
術後の鼻には止血のための詰め物がパンパンに入っており、鼻呼吸は 100% 不可能です。 酸素マスクがついているとはいえ、口呼吸しかできない状況。麻酔明けの意識の混濁も相まって、私は過呼吸気味になってしまいました。
看護師さんに鎮静剤を追加してもらい、なんとか落ち着きを取り戻しましたが、この時の「息ができない恐怖」は凄まじいものでした。
異例の即日「詰め物」除去
本来、詰め物は翌日に取る予定でした。しかし、あまりの苦しさと不安を訴えたところ、執刀医の先生が柔軟に対応してくださり、なんと手術当日に両鼻の詰め物(一部)を除去してくれました。
これによる圧迫感の軽減がなければ、私は不安に押しつぶされていたかもしれません。それでも、止血用の溶ける綿が奥に残っているため、鼻の通りは「5/100」程度。ほぼ窒息状態のまま、タクシーで帰宅しました。
4. 術後〜4 日目:後悔するほどの「地獄」
正直に言います。術後 4 日目までは「手術なんてしなければよかった」と後悔するほど辛かったです。
- 呼吸困難: 常に口呼吸。マスクをして寝ても 1〜2 時間おきに目が覚める。
- 飲食困難: 鼻が詰まっているため、水を飲むと耳が痛くなり、飲み込めない。食欲もゼロ。
- 精神的苦痛: 強い倦怠感と、「いつ治るのか」という不安。
転機:血を吸った綿の塊
4 日目の夜、咳払いをすると喉の奥から「何か」が出てきました。吐き出してみると、それは血を吸ってブヨブヨになった水溶性の綿の塊でした。
この塊が出た瞬間、鼻の奥の圧迫感が一気に抜けました。
「まだこんなものが入っていたのか」と驚きましたが、これ以降、水が飲みやすくなり、食欲も戻り始めました。これが回復への第一歩でした。
5. 術後 1 週間:劇的な「開通」の瞬間
術後 5 日目、6 日目と経過するにつれ、少しずつ鼻から空気が漏れるようになり、体調も回復していきました。そして迎えた術後 1 週間の「術部洗浄」の日。
クリニックで鼻の中に残った綿やかさぶたを吸引・洗浄してもらったその時です。
「スッ……」
洗浄の途中から、ものすごい変化を感じました。鼻から空気が入り、喉の奥に当たる感覚。 処置が終わり、恐る恐る鼻呼吸をしてみると、空気が通るのです。
その時の鼻通りのレベルは「70/100」。 術前の詰まり具合を考えれば、奇跡のような開通です。あまりの嬉しさに、診察室で少し涙ぐんでしまったほどでした。
最後に:これから手術を受ける方へ
帰宅後もある程度、鼻は通っていて、あとは回復を実感する毎日が待っているんだと期待が高まっています。 しかし、今回の経験を通じて強く感じたことがあります。
それは、「不安が強い人は、入院手術を選んだほうがいいかもしれない」ということです。
私は日帰り手術を選びましたが、術後の自宅療養中、家族のサポートがあっても「夜中に何かなったらどうしよう」「この苦しみはいつ終わるのか」という強烈な不安と戦い続けました(抗不安薬が手放せませんでした)。
もし入院であれば、すぐそばに医療従事者がいる安心感があったはずです。
- 早く治したい・時間が惜しい人 → 日帰り手術
- 痛みに弱い・不安症・パニックになりやすい人 → 入院手術
これから手術を受ける方は、ご自身の性格に合わせて選択することをお勧めします。
たった 1 週間の苦しみでしたが、その先には「鼻で息ができる」という素晴らしい世界が待っていました。 この体験記が、同じ苦しみを持つ誰かの背中を押すきっかけになれば幸いです。
(余談ですが、1 週間で体重は 3kg 落ちました)