前職ではソフトウェアエンジニア(モバイルアプリ)として入社してしばらく活動した後、プロダクトマネージャー(以下 PdM)に転進しました。理由としては当時の組織は規模が大きくなっていく中で、高い能力を持つメンバーがどんどん入ってくるのにプロダクトの方向性といった目線が全然揃っていなかったことと、当時在籍していた PdM とエンジニアのコミュニケーションが少し苦戦していそうだったことから、エンジニア背景を持った人間が PdM になったら活躍できるのではないか?と考えたからでした。
結果としては PdM とエンジニアとの間で一定の緩衝材としての役割は果たせたかなと自画自賛しつつ、PdM としては事業方面を意識しながら数字やビジネス設計を意識できるように修行させてもらいつつ鍛えてもらったなと感じています。
現職でも組織上のタイトルは違いますが、 PdM 的な仕事をさせてもらっているので PdM 業 7 年目に突入したところです。 2011 年が前々職で正社員として初めて雇用された社会人歴 1 年目とすると、ソフトウェアエンジニアとしてはプロとして 8 年働いていたので、もう少しで PdM としても同じだけの年数働くことになります。
ここまでの実感ですが、仕事の手応えはソフトウェアエンジニアのときの方が間違いなくありました。ソフトウェアを考えて、設計して作って動かし公開するまでの流れの一連全てを自分で実施できる体験の強さは、非常に強力です。
一方で PdM としては体験としてブルッと身震いするようなタイミングが掴みづらいなと感じています。これは恐らく、プロダクトとしてユーザーに提供して実際の反応を得て、成果に繋がるまでのリードタイムの長さが原因かなと思っています。ソフトウェアを作っているときは常に作る上での問題に当たっているので、問題→解決→問題→解決のループが超高速です。そしてこの高速さは 1 人でも体験が可能です。
PdM の仕事はチームの仕事です。問題の大きさと解決までのスピードは 1 人だけで何とかできるものではありません。だからこそ、いかに高速に問題を発見して解決に導くかが PdM の腕の見せ所なわけですが、それでもソフトウェアを作っていく上でのエンジニアとしてのスピード感とは違いますね。性質が違うので比べてるものではないとも思いますが、一度知ってしまうとね。
じゃあ PdM の仕事がつまらないのか?でいうと、そんなことは全くありません。そうでなれけば 7 年目に突入していません。何が面白いかでいうと、インパクトの大きさです。チームで仕事をする、その結果がユーザーに届き、また次に繋がっていく。そして組織としては(事業会社であれば)金銭などの対価を経ていき、金額も個人で扱うのとは違うようなスケールで考えていける。
有名な言葉に「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け」というのがありますが、ソフトウェアエンジニアと PdM 両方をやってみて、まさにこれだなーと感じております。